インフルエンザ

インフルエンザとは?

インフルエンザ イメージ

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の感染症で、毎年冬から春にかけて流行します。
通常の風邪よりも高熱・全身のだるさ・関節痛・筋肉痛などの症状が強く出るのが特徴です。
子どもでは、発熱や咳・鼻水の他、嘔吐やけいれん、異常行動が見られることもあり、特に乳幼児では注意が必要です。

インフルエンザの症状や受診のタイミング

お子様に以下のような症状が見られる場合には、早めに医療機関を受診してください。
特に1歳未満のお子様や持病のあるお子様は重症化のリスクがあるため、迅速かつ慎重な対応が必要です。

  • 突然38℃〜40℃の高熱が出た
  • 咳・鼻水・のどの痛みがあり、ぐったりしている
  • 食欲がなく、水分も摂れない
  • けいれんや異常な言動が見られる
  • 呼吸が苦しそう、顔色が悪い
  • 解熱後も体調が戻らない
  • 周囲でインフルエンザが流行していて感染が疑われる

インフルエンザの予防接種(ワクチン)

当院では、注射の予防接種の他、お子様向けに点鼻タイプの予防接種「フルミスト」がございます。
予防接種により、インフルエンザの発症の予防や、重症化リスクの低減が期待されます。

点鼻タイプの予防接種「フルミスト」について

フルミストは、鼻にスプレーして使うインフルエンザのワクチンです。
生きたインフルエンザウイルスを「弱くしたもの」を使っていて、鼻やのどで少しだけ働くことで、体の中に自然なかたちで免疫をつくります。
このワクチンの特徴は注射と違って、鼻やのどの粘膜に直接免疫ができるため、ウイルスの侵入を防ぎやすくなることです。
針を刺す必要がありませんので恐怖感の強いお子様にはおすすめです。

フルミスト注射による予防接種
対象2~18歳以下生後6ヶ月~
接種回数1回のみ12歳以下:2回
13歳以上:1回
費用8,500円(税込)1回目:3,500円(税込)
2回目:3,000円(税込)
  • フルミストの副反応
    • 鼻水・鼻づまり・短期間の発熱などが出ることがあります。
  • フルミストの注意事項
    • 接種後1~2週間は重度の免疫不全の方との接触は控えてください。
    • 接種後激しい運動は控えてください。入浴は可能です。

フルミストを受けられない方

  • 37.5℃以上の発熱がある方
  • 重篤な急性疾患、慢性疾患がある方
  • 免疫不全、または免疫不全の人と接触する機会がある方
  • 副腎皮質ホルモン剤(経口剤、注射剤)、免疫抑制剤(経口剤、注射剤)を使用している方
  • アスピリンを内服中の方
  • 重度の卵アレルギーがある(アナフィラキシーをおこしたことがある)方
  • ゼラチンアレルギーがある方
  • 鼻づまりが強い方
  • 妊娠している方
  • 4週間以内に生ワクチンを接種した方

\ 事前予約は9/19(金)から /

インフルエンザの検査方法

当院では迅速抗原検査の他、AI搭載のインフルエンザ検査機器「nodoca」を使って検査を行います。

インフルエンザ迅速抗原検査

当院では、高感度のインフルエンザ迅速抗原検査キット(A/B型判定)を導入し、症状のあるお子様には必要に応じてその場で検査を実施します。

AI搭載インフルエンザ検査機器「nodoca」について

nodocaイメージ1
nodocaイメージ2


当院では、AI搭載のインフルエンザ検査機器「nodoca」を2台導入しています。
nodocaは、喉の状態を高精細カメラで撮影し、AIがインフルエンザや咽頭炎に特徴的な所見を解析することで、診断をサポートします。
従来の視診だけでは判断が難しいケースでも、AIの客観的な所見と医師の経験を組み合わせ、より的確な診断が可能です。(医師が診察の上必要と判断した6歳以上の患者様には保険適応で検査可能です。)
特に発症早期のインフルエンザウイルスを疑う症状や問診事項がある患者様にはよい適応となります。
ご希望の方は医師までご相談ください。

チェックボックスアイコン 「nodoca」での検査がおすすめの患者様

  • 6歳以上で、口を15秒程度大きく開けることや舌をおさえることに抵抗が少ない患者様
  • 鼻の検査が嫌いな患者様
  • お時間に余裕がなくお急ぎの患者様(nodocaは問診→検査→結果判定までを含め約5~10分で終わります。)
    ※nodocaでは新型コロナウイルスの検査はできないため、インフルエンザと新型コロナウイルスの両方が気になる方は、迅速抗原検査での検査がおすすめです。
    ※事前問診でnodocaの適応ありと医師が判断した場合は、医師の診察前に看護師が検査を行うことがあります。
nodoca迅速抗原検査
対象6歳以上で口を15秒程度大きく開けることが可能なお子様年齢の制限なし、医師が必要と判断した場合に行います。
結果判定までの時間問診→検査→結果判定までを含め約5~10分問診開始から結果説明まで30分程度(鼻腔から検体採取後15分程度)
特徴・発熱して早期の患者様でも迅速抗原検査以上の精度(感度)で検査が可能・発熱から日数が経過している場合、迅速抗原検査の方が精度(感度)が高い

インフルエンザの治療方法

インフルエンザの治療は、症状の出始めから48時間以内に抗インフルエンザ薬を開始することで症状を軽くしたり、回復を早めたりすることが可能です。
抗インフルエンザ薬は年齢や状態に応じて、内服薬・吸入薬・点鼻薬から選択します。(発症から48時間を過ぎていても、重症化リスクが高い場合は抗インフルエンザ薬の治療を検討します。)
また、症状を和らげ体力の消耗を防ぐため、解熱剤や咳止め薬を同時に処方する場合もありますが、安静と水分補給が最も大切です。

ご家庭での対処法

ご家庭では、以下に注意をして対処をお願いいたします。

  • お子様に食欲がない時は無理に食べさせず、水分補給を最優先にしましょう。(スポーツ飲料・経口補水液など塩分と糖分の摂取も心がけましょう。)
  • 高熱時は、室温や衣服を調整し、必要に応じて解熱剤を使用してください。
  • 他のご家族に移さないよう、手洗い・マスク・換気を徹底しましょう。
  • 熱が下がっても2日ほどは体力が落ちているため、無理をさせないことが大切です。
  • 保育園の登園、学校の登校再開のタイミングは医師の指示に従ってください。

この記事を書いた人

福永遼平医師3

医療法人鶴町会 理事
流山鶴町皮膚科・小児科クリニック 院長(小児科担当医師)
福永 遼平 医師
◆小児科専門医 ◆医学博士